エドガー・ケイシー(Edgar Cayce: 1877年~1945年)とはどのような人物であったかと問われるなら、それは誰の目を通して答えるかによって、描かれる人物像はかなり異なったものになることでしょう。家族の者にとって、ケイシーは誠実な夫、優れた父親でありました。また近隣の人々にとっては、日曜学校で聖書を教える熱心なクリスチャンであったでしょう。彼の仕事ぶりを知っている人々は、彼を腕の良い写真家として描くかも知れません。しかし、現代に生きる私たちにとっては、彼は傑出した霊能力者として描かれることがもっともふさわしいといえます。
彼のことを一躍世の中に知らしめた伝記『永遠のエドガー・ケイシー』(邦訳たま出版)によれば、エドガー・ケイシーは幼少期から類い希な霊能力に恵まれていました。その彼が24才の時、治る見込みがないと宣告された彼自身の病気を、驚くべき透視能力によって治癒せしめたのです。彼は、ひとたび催眠状態に入ると、肉体を透視し、病気の原因やその治療法を述べることができたのです。依頼者がどこにいようと、名前と住所さえ与えられれば、彼らを診断し治療法を与えることができたのです。ケイシーのこの能力は後に「リーディング」と呼ばれるようになりました。
24才から46才までの22年間、ケイシーはこの透視能力をもっぱら病人の治療に役立てました。彼のもとにはさまざまな病気に苦しむ人々が訪れるようになり、ケイシーは彼らのために催眠状態に入り、彼らの病気の原因とその治療法を教え続けました。彼の診断を仰いだ多くの人が、当時の医学において不治あるいは難病とされていたにもかかわらず、ケイシーはそれらの疾病の真の原因を明らかにし、治癒させるに必要なさまざまな方法をアドバイスしました。そして、ケイシーのアドバイスに正しく従った人々は、例外なく、治癒していったのです。ケイシーが義務教育しか終了しておらず、しかも、一面識もない人達の病状を直接会うこともなく正確に診断し、有効な治療法を与えることができたというこの事実だけをもってしても、これは今日の人間観・世界観の根幹を揺るがすものであるといえます。彼はこの能力を「神からの賜物」として受け入れ、20年以上にわたり、無報酬で病気の人々を助けました。
それまで病気の治療にのみ透視能力を役立てていたケイシーでしたが、46才になると、その透視能力はあらゆる分野に向けられるようになり、科学者はそれぞれの専門分野に関するアドバイスを得、政治家は政策に関するアドバイスを、芸術家はインスピレーションを与えられました。とりわけ、ケイシーは人間の本性が永遠不滅の霊的存在であり、魂の成長のために肉体に何度も生まれ変わることを明らかにしました。そして67才で亡くなるまでの間に記録に残るものだけでも一万四千件以上の催眠透視を行いました。
ケイシーが亡くなって既に半世紀以上経ちますが、彼の残した情報がきわめて高い実践性と普遍性を備えているために、今日においても、私たちはそこから有益な情報を得ることができます。彼の病気治療に関する原理は『ケイシー療法』という名前で親しまれるほど、しっかりと体系づけられ、今日もなお多くの病人を癒やし続けています。また、ケイシーは生まれ変わりの具体的な姿を明らかにし、私たちの人生がどれほど神秘と高貴さに溢れているかを証ししています。 肉体の死によって自分の一切が消滅すると教える今日の唯物的世界観は、私たちの人生から(本質的な意味での)生きる希望、生きる喜びを奪ってしまいました。現代社会における凶悪犯罪の増加、道徳倫理の頽廃、生きる希望の喪失、無気力、ニヒリズム、快楽的刹那主義などは、この唯物的世界観の必然的な帰結です。
エドガー・ケイシーという現象は、この唯物的世界観が人間の真の姿を捉えていないことを証しするものであり、私たちは、彼の残した情報を研究することで、個々人の人生を豊かならしめるとともに、社会全体に対して生きる勇気と希望と喜びを回復せしめることができると信ずるものであります。私たちがエドガー・ケイシーの情報の普及啓蒙に励む理由もそこにあります。皆さまの人生のためにも、そして希望溢れる社会実現のためにも、ぜひエドガー・ケイシーの世界を探求してください。人生の扉を開ける鍵がここにあります。